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初期虫歯は治療したほうがよいのか?

初期虫歯は自分の歯をよく観察する・入念なデンタルケアを行う・穴が開き始めたら迅速に歯医者さんの診察を受ける。この3つが大きなポイントです。痛みが生じてくる前に見つけることで、少しでも早く進行を食い止めることができます。

1. 歯の状態

1-1.初期【C0】:自分の歯を観察することが重要

エナメル質の表面がゆっくり溶け始めて、歯の表面も白くくすんだ色になります。
このレベルでは診察を受ける必要性はありませんが、歯科医院で正しいブラッシング指導を受けて、正しい歯みがきを行い、歯の石灰化を促すことがとても重要です。ブラッシングは、染め出し(歯垢染色液)で染めてみると、歯垢の残り具合などが把握できます。
また、甘い物を控えてキシリトール配合のガムに変えるなどの食生活の見直しや、歯の再石灰化を促すフッ素入りの歯みがき粉に変えてみるなど、日常生活においても予防措置を取り入れてみましょう。 C0レベルの状態はデンタルケアや自身の歯の観察を怠ると、すぐにC1レベルへ移行してしまいます。
全く痛みがなく、C0レベルの状態だからこそ、自分で歯の状態をよく観察し、“進行させない”ことがこのレベルでの治療となります。

染め出し液(歯垢染色液)使用前・使用後

【ワンポイントアドバイス】
歯みがき後、白くなりきれいに磨けていると思いがちな歯ですが、実は目には見えない頑固な歯垢がくっついたままになっていることもあります。
歯の表面にくっついたままの歯垢は虫歯のもとに繋がります。この機会に歯科医院で先生から正しいブラッシング方法を学んだり、磨き残しに不安を感じる時は歯垢染色液(染め出し液)を使って、自分で確認し、早めに原因を取りのぞきましょう。

1-2.初期【C1】:小さな穴が開いて菌が動き始める

C0レベルで溶け始めていたエナメル質が完全に溶けて、象牙内に留まっている状態です。
歯の表面には、目視で確認できるくらいの小さな穴が開き始めます。
「小さい穴だから大丈夫大丈夫!」なんて楽観視するのは危険ですよ!
開いているのがどんなに小さい穴でも、この状態は菌が歯の内部にしっかり入り込んでいるサインです。一旦穴が開いてしまうと、もう正しい歯みがきではここからの進行は食い止めれません。

C1レベルのイメージ

【ワンポイントアドバイス】
鏡で自分の歯の表面・側面・全体と隅々までよく観察してみましょう。
小さな穴や、穴になりそうな小さな点はありませんか?
穴や小さな黒い点を見つけたら絶対に放置しないで、すぐに歯科医院の診察を受けましょう!
菌が象牙質の中で留まっているこの時点では、まだ痛みを感じることがありません。
だからこそ、早めの治療が重要になります。できるだけ早めの対処が大切です。

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2. 発見方法について

2-1.歯の表面の発見法

初期虫歯を発見するためには、よく自分の歯を観察することです。自分の歯を観察する時に大事なポイントは、「前兆」を見逃さないことです。自分の歯をよく観察し、見逃せないポイントがないかよく確認しましょう。
黄色くなった歯垢が常に歯の表面にある状態だと、歯みがきで防ぐことのできるC0の状態を見逃してしまい、C1への進行を防げなくなります。たかが歯垢、されど歯垢!放置した歯垢は菌の悪い味方になってしまいます。
正しいブラッシング方法に自信のない方は、この機会に歯科医院でブラッシング指導を受けましょう。
正しい歯みがきがC1への進行を防いでくれますよ。

歯の表面の発見法

【ワンポイントアドバイス】
自分でよく観察する事が大事。歯垢が乗っていてC0を見逃してしまうこともあるので、よく歯垢の付いている箇所を磨きましょう。歯垢を取り除くには、正しいブラッシングの仕方を身につけておくことも大事です。歯科医院で指導を受けましょう。

2-2.歯の隣接面(隣の歯との間)の発見法

一番わかりにくい隣接した面の歯ですが、普段からデンタルフロスを使って歯の状態を観察することで、デンタルフロスがボロボロになる状態の前に異常に気付くことができます。イマイチうまく使えない…という方は、歯科衛生士さんに相談してみましょう。
理想としては、正しいブラッシング+デンタルフロスの併用です。
ブラッシング後は特定した歯だけでなく、全体の歯にデンタルフロスを入れてみましょう。ごくごく初期の間に異常を見つけられれば、浸食による痛みや治療での痛みを感じる前に処置できます。

歯の隣接面(隣の歯との間)の発見法

【ワンポイントアドバイス】
エナメル質の表面がザラザラした状態になります。小さな黒い点が歯の表面に現れます。
いちばん気づきにくいのが「歯と歯の間」になります。
特に、「歯と歯の間・裏」にデンタルフロスを入れてみて、「引っかかって出てこない」「引き抜いたデンタルフロスが傷付いてボロボロな状態」になっていたら疑いが高いです。
この時点で早めにクリニックで診察してもらったほうが良いでしょう。

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3. 予防と基本処置について

3-1.予防する基本のブラッシングとは?

ごく初期のC0やC1であればエナメル質のごく表層だけにとどまっている状態ですので、毎日の正しい歯磨きと生活習慣の改善(砂糖が含まれる食品の摂取を少なくする、代用甘味料の入ったお菓子などに切り替える、など)で経過観察をすれば、進行を止めることが可能です。

C1の写真

初期虫歯がある方は歯科医院で定期検診を受けてください。
正しい歯磨きが出来ていなければ歯磨き練習(ブラッシング指導)と進行していないかを確認してもらってください。
穴が開いたりしてしまったら詰め物(レジン)での治療が必要となります。

痛みがありませんので気づかない場合がほとんどです。

C1行程

【ワンポイントアドバイス】
歯みがきが予防の要という事はご存じかもしれませんが、意外と「正しいブラッシング」ができている方は実は多くないのです。どうしても自分の利き手と反対方向の歯は、磨き残しや歯垢を残したままになりがちです。ブラッシングは正しい方法できちんと磨けていなければ、歯をきれいにできたとは言えません。正しいブラッシングをもう一度学ぶのは、恥ずかしいことではありません!基本のブラッシングをもう一度見直してみましょう。

3-2.「レジン充填」とは?

レジンは接着剤のひとつで、その正体は光を当てると固まる樹脂です。最初は白いペースト状ですが、光を当てると途端に固くなります。「レジン充填」は最小限に削ったあとに先の細い器具で注入する、たった1回で終了する治療です。虫歯が隣同士の場合は、この処置がむずかしい場合がありますが、C1レベルではこの方法が主流です。
保険診療の場合は、銀歯が適用されますが、虫歯のあったところを埋めるために大きく削ってしまう銀歯に比べて、レジンでは「虫歯のあるところ」のみを削るので、歯への負担が最小限で済みます。通院回数も1回と、患者さまのストレスも少ないことから、初期治療ではレジン充填法で処置することが多いです。

レジンとは?

【ワンポイントアドバイス】
レジンは元の歯の色に合わせた色の樹脂を注入することができ、治療が完了してもレジンを注入したとは思えないくらいに違和感なく歯に馴染んでくれます。固いものを噛んで割れることもありません。

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4. まとめ

C0レベルからC1レベルへの進行は目視で分かるほど、はっきりしたものではありません。だからこそ、ごく初期と言えるC0レベルでの内から正しいブラッシング・食生活の改善などの予防を取り入れることが本当に重要なのです。
小さな穴が開き始めるということは、もうC1レベルの症状が始まり、内部で進行が早まっているサインだということをよく理解し、穴を見つけたらとにかく早急に歯科医院を受診しましょう。自分の歯を守れるのは自分しかいないのです!

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