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反対咬合の治療は小学校に入ったら

歯列不正の種類はいろいろありますが、そのひとつに反対咬合があります。
本来の前歯の噛み合わせは、上顎の前歯の方が下顎の前歯よりも前に位置しているものですが、反対咬合では、下顎の前歯の方が前に出ています。

反対咬合は自然に治ることはないので、何らかの治療が必要です。 そこで今回は、反対咬合の治療について、大人の方向けの治療法をご紹介します。

上顎と下顎の前歯の噛み合わせが逆になっているので、反対咬合とよばれます。
反対咬合は、大人だけでなく子供にも見られる歯列不正です。

反対咬合の治療は、いつ頃から始めればいいのでしょうか。
今回は、反対咬合の治療を始める年齢についてお話しします。

子供の反対咬合

子供の歯並びは、乳歯だけの乳歯列期、乳歯から永久歯に生え変わりつつある混合歯列期、乳歯が抜けて永久歯だけになった永久歯列期の3段階に分けられます。
歯並びの状態や、年齢によって反対咬合の治療法に違いがあります。

子供の反対咬合

3歳ごろまでの反対咬合

3歳ごろまでの反対咬合

乳歯は全部で20本です。
これらが全て生えそろうのはおおむね3歳ごろです。
3歳ごろまでの反対咬合なら、実はそのままにしておいても、自然に治ることも多いです。

100年以上の歴史があり問題点もほぼ出尽くされ、反対咬合だけでなく、ほぼすべての歯列不正に使える汎用性の高さが利点です。
一方、目立ちやすい、食事や歯磨きがしにくいなどの難点もあります。

したがって、この年齢のお子さんの歯並びが上顎より下顎の前歯の方が前に出ていても、様子を見ていただくといいでしょう。

3〜5歳ごろの反対咬合

3〜5歳ごろの反対咬合

乳歯が生えそろう3歳以降からの反対咬合なら、治療期間は1年前後と、比較的少回数に改善が可能です。
舌を前に出したり、口で呼吸したりする癖が原因で反対咬合になる場合がほとんどです。

この時期の反対咬合に対しては、マウスピース型の矯正装置を寝ている間に使っていただくことで、反対咬合の改善と、原因の癖の解消を図ります。
この時期なら、歯並びを悪くする癖の解消が比較的簡単なので、おすすめです。

なお、軽度の反対咬合なら、上顎と下顎の前歯の間に割り箸などを当てて噛ませておくだけで改善できることもあります。

6〜12歳の反対咬合

6〜12歳の反対咬合

最初に生えてくる永久歯は、最も奥にある第二乳臼歯の後ろに生えてくる第一大臼歯、もしくは前歯の永久歯です。
これらの永久歯は、6歳ごろから生えてきます。
混合歯列期は、この時期以降の歯並びです。
この時期の矯正治療は、矯正治療ではⅠ期治療とよんでいます。

混合歯列期のお子さんは、成長発育が活発な時期にあたります。
顎の骨格は、どのように成長発育していくか明らかになっていますので、顎の骨格の成長発育をコントロールすることが可能です。

そこで、成長発育が活発なこの時期の反対咬合の治療では、顎の骨格の成長発育をコントロールし、歯並びの元となる顎の骨格を理想的な形や大きさに整えます。
同時に、上顎と下顎の骨の位置関係も合わせることで、反対咬合の改善を図ります。

12〜13歳以降の反対咬合

12〜13歳以降の反対咬合

乳歯が全て抜けて、永久歯に生え変わるのは、個人差がありますが、12〜13歳以降です。
この時期の歯並びを永久歯列期といい、矯正治療ではⅡ期治療とよんでいます。

この時期になると、成長発育のスピードはかなり遅くなってきますので、Ⅰ期治療のような顎の骨格の成長発育のコントロールは重視されなくなります。
乳歯がなくなっていることもあり、反対咬合のⅡ期治療では、大人と同じような治療法で反対咬合の改善を図ります。

そこで、成長発育が活発なこの時期の反対咬合の治療では、顎の骨格の成長発育をコントロールし、歯並びの元となる顎の骨格を理想的な形や大きさに整えます。
同時に、上顎と下顎の骨の位置関係も合わせることで、反対咬合の改善を図ります。

具体的には、歯の表面にブラケットという金具とワイヤーをつけたマルチブラケット矯正や、マウスピースで歯並びを整えるマウスピース矯正です。

下顎骨に対する手術法

大人の反対咬合

子供の反対咬合

大人の反対咬合では、歯の向きや位置などに原因がある場合は、歯列矯正で改善を図ります。
骨格にも原因のある反対咬合では、歯列矯正に加えて、顎矯正手術という顎の骨格の改善を図る外科手術も行われます。

すなわち、大人の反対咬合の矯正治療は、原因によって歯列矯正単独か、歯列矯正と顎矯正手術の組み合わせかが決まります。
どちらも、年齢は問われません。

したがって、大人の矯正治療では、いつでも治療を開始できます。
なお、大人の矯正治療には年齢的な限界はありません。

まとめ

今回は、大人の方の反対咬合の治療についてお話ししました。
反対咬合の治療は、その原因から歯性下顎前突症と骨格性下顎前突症に分けられます。

歯性の反対咬合の治療は歯列矯正、骨格性の反対咬合の治療は、術前後の矯正治療と顎矯正手術、そして顎間固定です。

反対咬合にお悩みの方は、治療法を知るためにまず歯科医院を受診して、反対咬合の原因を調べることをおすすめします。