出っ歯の影響は、歯の見た目が悪くなるだけではありません。出っ歯は上顎前突といいますから、口元の突出感を伴います。
口元が出てくると、正面からの顔つきに加え、横顔にも影響が現れます。
今回は、出っ歯による横顔への影響について、解説します。
横顔の印象を決める要素
横顔の印象を決める要素は、口元・顎先・鼻の3つです。
口元
横顔の印象を決める要素のひとつが、口元です。
口元が引き締まっていると、横顔もきれいに見えます。
もし、出っ歯になっていると、鼻の下が尖った感じになり、反対に下顎の先が下がった口元になってしまいます。
顎先
顎先とは、下顎の先端部分です。
歯科医療に携わるものは、顎先をオトガイとよんでいます。
オトガイの位置が、鼻や上口唇と比べてどのような位置関係にあるのかも、横顔の印象を左右します。
出っ歯の中でも、骨格性の上顎前突では、オトガイが下がったような感じになることが多く、横顔のバランスを崩してしまいます。
鼻
鼻も、横顔の印象を左右する重要なパーツです。鼻が高い方が、横顔の印象はずっと良くなります。
詳しくは後述しますが、鼻の高さと、オトガイの位置関係は、Eラインという横顔を評価するポイントとして切っても切れない関係にあります。
このことからも鼻が横顔の印象を左右する要素であることがお分かりいただけると思います。
横顔のチェック方法
横顔のチェック方法は、さまざまな方法が考案されています。
Eライン
Eラインは、Esthetic Lineの略で、鼻先と下顎の先端部分を結んだ直線のことです。
1954年にロバート・リケッツという歯科医師によって考案され、現在では横顔の代表的な評価方法として広く知られています。
Eラインによる評価方法は、至って簡単で、Eラインに唇が重なるかどうかを見るだけです。
Eラインと唇の位置関係は、時代と共に変わっているので一律ではないのですが、現在ではEラインに唇が重なる、もしくは少し内側になっているのが、美しい横顔と評価されています。
写真を見てEラインを判断することもできますし、写真を撮らなくても、定規を鼻先と下顎の先端に当てて、唇が触れるかどうかをチェックすることでもEラインは評価できます。
出っ歯になると、上口唇の先端がEラインを越えるようになります。
Zアングル
Zアングルは、唇と下顎の先端部分を結ぶ線を利用した横顔の評価法です。
目の入っている頭蓋骨の空洞を眼窩と言います。
眼窩の底と耳の穴を結ぶ平面をフランクフルト平面とよびます。
フランクフルト平面は、地面におおむね水平な平面です。
フランクフルト平面に対する唇と下顎の先端部分を結ぶ線の傾きが、Zアングルです。
Zアングルは、75度前後が理想的とされています。
出っ歯になると、Zアングルは、75度を下回るようになります。
上口唇傾斜角
上口唇の上のくぼみを人中と言いますが、この部分、横顔を見ていただくと、斜めになっていることがお分かりいただけると思います。
上口唇傾斜角は、フランクフルト平面に対する人中の傾きを表したものです。
日本人の場合、上口唇傾斜角は、平均すると男性で17度ほど、女性で18度弱となっています。
この角度から離れると、鼻下の部分がアンバランスになってきます。
出っ歯になると、上口唇傾斜角が大きくなる傾向があります。
鼻唇角
鼻唇角とは、鼻先から鼻の付け根にかけての直線に対する人中の傾きを表す角度です。
日本人の場合、鼻唇角がおおむね90度になるようですが、研究者の間でも平均的な鼻唇角の角度は分かれており、100度くらいという意見もあるようです。
理想的な鼻唇角になると、鼻が高くなり、スッとした横顔になります。
なお、出っ歯と鼻唇角の関係では、出っ歯になると、鼻唇角が90度を下回ってくるようです。
まとめ
今回は、出っ歯が横顔にどのような影響を与えるのかを知るために、横顔を左右する要素と、横顔の評価方法を中心に説明しました。
横顔を左右する要素は、
①口元
②顎先(オトガイ)
③鼻
の3つです。
横顔の評価方法は、
①Eライン
②Zアングル
③上口唇傾斜角
④鼻唇角
などがありますが、中でもEラインが最も手軽でおすすめです。
出っ歯で横顔が気になる方は、ザ・ホワイトデンタルクリニックにお任せください。無痛治療で整った前歯に改善できるので忙しい方でも無理なく治療できます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。