受け口(反対咬合)の原因
1. 遺伝(親からの遺伝による骨格、歯の生え方による場合)
遺伝による方の場合は、遺伝ですから何も対策をしなければ、確実に顎の発達状態によってしゃくれた感じの輪郭になります。ご両親のどちらかが該当する場合はお子さんもなる可能性が高くなります。
ご両親のどちらかが該当する場合、幼児期からお子さんのかみ合わせの状態を観察し、少しでも受け口になる傾向が見受けられた場合には、ならない・進行させないための処置を開始する事をお勧めします。遺伝的な要因が強い方の場合は顎の発達を抑える治療(チンキャップという器具を装着するなど)を成長が終わるまで続ける必要があります。
また顎の発達状態が原因ではない場合でも、歯並びの矯正によって予防的な矯正を行います。予防的な矯正を開始する時期には個人差がありますので一概には言えませんが、乳歯のかみ合わせの時点で、すでに受け口(かみ合わせが上下反対)になっている場合は、かみ合わせを正常に誘導する装置(ムーシールドなど)を 使ったりすることで治療を行います。
2. 骨格的な発育過剰もしくは発育不全
下の顎の成長が大きく上の顎とのバランスが悪くなってしまう様な場合や、上の顎の発達が悪いために相対的に下顎の方が前に出てしまう場合など、成長期であれば上顎のアーチを広げる様な装置(上顎拡大装置)を入れて受け口の状態を改善したり、予防したりします。
3. 舌の悪習癖
舌を前に出す様な癖がある場合、下の前歯が押し出されてしまってかみ合わせが受け口になってしまう事があります。この様な場合は口腔筋機能療法という舌や唇の筋肉のトレーニングを行って悪い習癖を改善します。